近年、モバイル端末の利用者が増え、WEBサイトのモバイル対応は必須となりました。
ただ、「モバイルファーストってどういう意味?」「モバイルファーストのSEO対策って何をしたら良いの?」そういった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はそういった方へ向けて、モバイルファーストとは何なのか、どういったSEO対策が求められるのかを詳しく解説していきます。
この記事を読めば、モバイルファーストの本質部分について理解が深まり、これからどういった対策を取っていけば良いのかが明確になるでしょう。
モバイルファーストとは?【意味と本質】
モバイルファーストとは、一般にはモバイル向けのWEBサイトを優先的に制作することを指すことがあります。ただ、これはモバイルファーストの表面的な理解に過ぎません。
モバイルファーストでのWEBサイト制作は、Googleのモバイルファーストインデックスに対応するための対策であるといえます。モバイルファーストインデックスとは、以下のようなインデックス・ランキングの仕組みのことです。
モバイル ファースト インデックス登録とは、Google のインデックス登録とランキングで、モバイル版のコンテンツを優先的に使用することを意味します。
引用元:モバイル ファースト インデックス登録に関するおすすめの方法|Google
つまり、モバイルに対応しているWEBサイトがGoogleに求められているといえます。ただし、この仕組みを決めているのがGoogleである以上、Googleの意図を把握した上での対策が必要です。
まずは、単純にモバイル向けのWEBサイトを作れば良いということではないことを頭に入れておいてください。
Google「モバイルファーストインデックス」の経緯
モバイルファーストインデックスに関するGoogleの意図を把握するために、Googleによるモバイルファーストインデックスの経緯を確認しておきましょう。
2016年:モバイルファーストインデックス発表
Googleは、Google検索を利用しているユーザーのほとんどがモバイル端末から検索を行っている現状を受けて、モバイルファーストインデックスに移行すると発表しました。
しかし依然として、Google のランキング システムは、主にデスクトップ版のコンテンツを用いてユーザーとの関連性を評価しています。この方法では、モバイル版のページのコンテンツがデスクトップ版のページのそれよりも少ないケースにおいて、問題が発生します。なぜなら、モバイル検索ユーザーが実際に見ているページを Google のアルゴリズムは評価していないからです。
そこでユーザーにとってさらに価値ある検索結果を提供するために、Google ではモバイル ファーストのインデックス登録に向けた実験を開始しています。
引用元:モバイル ファースト インデックスに向けて|ウェブマスター向け公式ブログ
この発表から数カ月間にわたって小規模な実験を行い、その後、広範囲にわたって変更を反映するとアナウンスしました。
2018年:モバイルファーストインデックス開始
Googleは、1年半の実験の結果を受けてモバイルファーストインデックスを開始し、より広範に展開していくと発表しました。
本日、Google は 1 年半の慎重な実験とテストの結果、モバイル ファースト インデックスのベストプラクティスに準拠したサイトの移行を開始したことを発表します。
これまで、Google のクロール、インデックス、ランキング システムでは、主にデスクトップ版のコンテンツが使用されてきました。そのため、その内容がモバイル版と大きく異なる場合、モバイル検索ユーザーに問題が発生する可能性がありました。 モバイル ファースト インデックスとは、モバイル版のページをインデックスやランキングに使用し、主にモバイル ユーザーが探しているものを見つけやすくすることを意味します。
引用元:モバイル ファースト インデックスを開始します|ウェブマスター向け公式ブログ
Googleは、モバイル版サイトを優遇するわけではないとした一方で、モバイルフレンドリーかどうかはランキングに大きく影響するとしています。
2020年:モバイルファーストインデックス移管
Googleは、モバイルファーストインデックスの展開を続けており、2020年9月にはモバイルファーストインデックスに完全に移管すると発表しました。
It’s been a few years now that Google started working on mobile-first indexing – Google’s crawling of the web using a smartphone Googlebot. From our analysis, most sites shown in search results are good to go for mobile-first indexing, and 70% of those shown in our search results have already shifted over. To simplify, we’ll be switching to mobile-first indexing for all websites starting September 2020. In the meantime, we’ll continue moving sites to mobile-first indexing when our systems recognize that they’re ready.
引用元:Announcing mobile first indexing for the whole web|Webmaster Central Blog
全てのWEBサイトにモバイルファーストインデックスが適用されることになるため、モバイル向けでないページは評価されづらくなると考えられます。
モバイルファーストの本質は「ユーザーファースト」
モバイルファーストインデックスにより、モバイルファーストのWEBサイト作成が標準となりました。しかし、Googleのメッセージの本質は「モバイルに対応しなさい」ということではありません。
Googleのモバイルファーストの本質的なメッセージは、「ユーザーファースト」です。
Googleが第一に掲げる「理念」
Googleの根幹的な理念をまとめたものに「Googleが掲げる10の事実」があります。その10の事実の一番初めに記載されているのが、以下の文言です。
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。
引用元:Google が掲げる 10 の事実|Google
そもそもモバイルファーストインデックスが始まった理由を思い出してください。それは、「Google検索を利用するユーザーのほとんどがモバイル端末を使っている」からでした。
つまり、Googleはユーザーの利便性を追求した結果として、モバイルファーストインデックスに移行しているに過ぎません。WEBサイト運営者が見なければいけないのは、Googleのシステムではなくユーザーだということです。
いつでもどこでも情報にアクセスできること
Googleは、いつでもどこでも情報にアクセスできることを目指しています。これに関しても、「Googleが掲げる10の事実」の中に、以下のような記載があります。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
世界はますますモバイル化し、いつどこにいても必要な情報にアクセスできることが求められています。Google は、モバイル サービスの新技術を開発し、新たなソリューションを提供しています。
引用元:Google が掲げる 10 の事実|Google
モバイル対応をするというのはあくまで表面的な対策に過ぎず、本質は「いつでもどこでも必要な情報にアクセスできる」ようにする対策が求められているということです。
モバイル対応するだけではなく、モバイル端末を使用するユーザーの状況に合わせてWEBサイトを作成する必要があります。画面の向こうのユーザーの状況を意識して、WEBサイトを作成しなければいけません。
モバイルファースト時代のSEO対策4つの施策
ここでは、モバイルファースト時代にするべき4つのSEO対策について解説します。モバイルファーストインデックスに対応するには、モバイル向けのWEBサイトを作るだけでは十分とはいえません。
以下の4つの施策をチェックして、WEBサイト運営に取り入れてください。
デバイスに最適化したデザイン
WEBサイトは、ユーザーのデバイスに最適化したデザインにしましょう。モバイル端末から利用するユーザーが多い場合は、以下のようなデザインが考えられます。
◎大きめのボタン
◎画面に収まるサイズの画像 など
WEBサイトを利用するユーザーに合わせて、利用しやすいデザインにすることが大事です。PC・モバイルの利用者がそれぞれいるなら、レスポンシブデザインを導入することをおすすめします。
ユーザー目線のコンテンツ作成
ユーザー目線のコンテンツ作成が、これまで以上に求められるでしょう。ユーザー目線のコンテンツを作成するには、WEBサイトを利用するユーザーがどのような状況に置かれているのか想像することが大切です。
例えば、出先で調べものをしたときに訪れたページが、検索した内容の答えをだらだらと引き延ばしていたら、ユーザーは他のページに答えを探しにいってしまいます。
こういったユーザーの状況を鑑みてコンテンツを作成することが重要です。WEBサイトを利用するターゲットを具体化した上で、コンテンツを作成しましょう。
シンプルで分かりやすい導線
WEBサイト内の導線は、シンプルで分かりやすくします。なぜなら、たとえWEBサイトに求めている情報があったとしても、ユーザーがその情報にたどり着けなければ意味がないからです。
分かりにくいWEBサイトの導線としては、以下のような例が挙げられます。
◎カテゴリーが設定されていない
◎グローバルメニューが設置されていない
◎パンくずリストが設置されていない
◎関連記事としてリンクが設定されていない など
上記のような点に心当たりのある方は、改善する必要があります。ユーザーが必要な情報にたどり着けるように、シンプルで分かりやすい導線を設置しましょう。
WEBページを表示する速度の改善
WEBページを表示する速度を改善することも、モバイル端末に対応する上では欠かせません。なぜなら、モバイル端末ではPCほどの処理速度を出せないからです。
WEBページの表示速度を改善するための具体的な施策は、以下のとおりです。
◎無駄なコードを削除する
◎ブラウザキャッシュを活用する
WEBページの表示速度が遅いと、その間にユーザーがページを離脱してしまいます。上記の対策を講じて、WEBページの表示速度を改善しておきましょう。
まとめ:モバイルファーストの本質に基づくSEO対策を
今回は、モバイルファーストとは何なのか、どういったSEO対策が求められるのかを解説し。ました。
本記事の要点は、以下のとおりです。
◎モバイルファーストの本質は、「ユーザーファースト」である
◎モバイル向けのWEBサイトにするだけでなく、画面の向こうのユーザーを意識したコンテンツ制作が必要
この記事を参考にして、モバイルファーストの本質部分について理解を深め、ユーザーファーストのSEO対策を行っていきましょう。